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WSF2018の民謡

民謡尺八の世界が ロンドンWSF2018に来る

WSF2018の民謡

これまでのワールド尺八フェスティバルでは紹介されてこなかった民謡尺八が、今回初めてプログラムに組みこまれました。日本には様々な尺八奏者団体があり、その中で民謡尺八奏者団体数は抜きん出て多いのです。ところが、そういった現実にもかかわらず、民謡というジャンルは日本以外ではあまり紹介されてきませんでした。また日本では、民謡界と邦楽界は隔たっており、同じ演奏会でコラボし、演奏するということはほとんどありません。横山勝也氏によって創設されたワールド尺八フェスティバルでの非排他主義の伝統に従い、今回、青森民謡協会が民謡界の代表として参加します。

青森民謡協会からロンドンに招聘した演奏家は、民謡歌手であると同時に三味線と太鼓の演奏家でもある三宅良二氏と白戸知也氏。また日本民謡協会からは民謡尺八のエキスパートである榎本秋水氏が参加します。ロンドンでは、この3名の演奏家が一般の聴衆向けのコンサートや、ワールド尺八フェスティバルの参加者向けのワークショップや講演を通して、民謡の音色を披露します。

榎本秀水

東京都品川区, 日本

演奏家・教師
民謡尺八演奏者
日本民謡協会

三宅良二

千葉市, 日本

民謡歌手・民謡師範教授
  三味線教授
  青森民謡協会役員

白戸知也

横浜市, 日本

演奏家
津軽三味線
青森民謡協会

榎本秋水氏、三宅良二氏、白戸知也氏は以下のコンサートで演奏します:

 

7月31日 ガラ・オープニング・コンサート、会場ロンドンIslingtonユニオン・チャペル

8月1日 ランチタイム・コンサート、会場ロンドン大学ゴールドスミス大ホール

8月2日 ランチタイム・コンサート、会場ロンドン大学ゴールドスミスSt James Hatchamビル

8月2日 イーブニング・コンサート、会場ロンドン大学ゴールドスミス大ホール

8月3日 イーブニング・コンサート、会場ロンドン大学ゴールドスミス大ホール

8月4日 ランチタイム・コンサート、会場ロンドン大学ゴールドスミス大ホール

8月4日 イーブニング・コンサート(閉会コンサート)、会場ロンドン大学ゴールドスミス大ホール

 

日本から招聘した3名の民謡奏者のサポートとして、デービッド・ヒューズ博士(歌、三味線、太鼓)、ジーナ・バーンズ氏(歌と篠笛)、キャンベル浅野良枝氏(歌と民舞)に率いられたロンドン大学SOAS民謡グループが参加します。WSF2018の民謡は地元ロンドンと日本のプロとのコラボであるともいえるでしょう。一般聴衆とフェスティバル参加者のために、演奏者一同が様々なジャンルをご紹介します。

民謡のジャンルとしては、例えば労作歌、お座敷歌、宴会歌、踊歌、盆踊り歌、子守歌、わらべ歌、祝い歌などがあります。

民謡ワークショップと講演
後ほど公表

日本の青森

青森と津軽三味線について

ここ5~7年、外国人尺八奏者の間で民謡に対する関心が高まっています。そういった理由からもWSF2018のプロフラムに民謡を加えることは非常に意義があり、民謡の生の音を紹介するため、青森民謡協会会員の先生方を招聘しました。本州の最北端に位置する青森では民謡のステータスが高く、その地域に特化した津軽三味線はそれ自体一つのジャンルを作り上げています。

津軽三味線は太棹を用い、撥を使って激しくかつ繊細な音色と旋律を奏でます。元々、伴奏用に用いられましたが、現在は独奏・合奏楽器として、即興演奏やフュージョン音楽にも使われており、若い人達に人気が高まっています。今回お招きした三宅良二氏と白戸知也氏は津軽三味線演奏家です。

 

青森と根笹派錦風流について

今回のWSF2018には、青森県無形文化財保持者である尺八演奏家の須藤修鵬氏と山田史生氏を迎えます。錦風流は弘前藩に伝わった尺八であり、流派伝来の本曲をご披露します。

民謡の中の尺八

普化宗の僧が深編笠をかぶり首に袈裟をかけて刀を帯び、尺八を吹いて諸国を行脚した虚無僧のイメージはつとに有名ですが、1871年に明治政府は普化宗を廃宗し、托鉢も一時禁止されました。その影響は尺八の演奏環境や曲目にまで及び、民謡の伴奏楽器として三味線・篠笛・太鼓などと共に使われるようになりました。尺八だけを伴奏楽器とする竹物(たけもの)が新しい民謡のジャンルとなって登場し、1950年代には、自由拍子の民謡において重要な伴奏楽器となったのです。もちろん、今日では固定拍子の曲にも使われていますが、尺八本来の特徴が表現できるのは無拍子の曲であり、民謡歌手の歌を追いかけるように演奏し、歌詞の行間に音楽性を展開します。

青森民謡協会

青森民謡協会は特定非営利活動法人であり、青森の民族音楽文化の伝承を目的として設立されました。古典を伝承し、次世代を育て、民謡の発信地として活動を続けています。その活動の一環として、1986年からは民謡コンクールや全国大会、ジュニアの民謡コンクールも開催しています。

協会正会員にはプロの民謡歌手や民舞の舞踊家、尺八や三味線奏者がおり、研究者や指導家、そして協会をサポートする一般会員も含まれます。

民謡と民舞を普及するために、青森民謡協会では大人や子供向けに教室を開催し、協会の正会員を講師として派遣し、その活動の輪は日本の外にも広がっています。また老人ホームなどにも出張演奏をしており、地元に根付いた活動は住民から歓迎されています。

今回のWSF2018には、青森民謡協会を代表して三宅良二氏および白戸知也氏が参加し、歌と演奏を披露してくれます。

WSF2018実行委員会として、青森のすばらしい民族音楽の伝統を紹介できる機会を提供できることを光栄に思うとともに、それによって異文化間の交流に貢献でき、邦楽界と民謡界を一堂に集める機会が持てることをうれしく思います。

青森民謡協会 www.ao-min.jp (日本語のみ)

日本民謡協会

日本民謡協会は1950年に創立され、1965年には財団法人、2012年には公益財団法人として許可されています。民謡民舞の保存育成及び普及の事業を行い、日本の文化及び芸術の振興に寄与することを目的としています。日本民謡会館には300名収容の舞台付研修室、資料室、展示室、閲覧室、視聴室、会議室もあり、会員だけでなく一般の方にも公開しています。また、学校での普及活動も積極的に行っています。

今回のWSF2018には、日本民謡協会から榎本秋水氏をお迎えし、演奏だけではなく、指導や講演もお願いしています。

WSF2018実行委員会として、このフェスティバル開催に当たり、青森民謡協会と日本民謡協会から多大な協力を賜りましたことを深く感謝いたします。

日本民謡協会 www.nichimin.or.jp (日本語のみ)

SOAS民謡グループ

SOAS民謡グループはロンドン大学SOAS音楽学部で教鞭をとっていたデービッド・ヒューズ博士が創立しました。1990年頃から、SOASの学生に民謡の歌唱と楽器演奏を指導し続け、2013年に民謡グループとして正式に立ち上げたのです。大学を退官後もこのグループ及び沖縄三線会を率いて、土曜日ごとにSOASで練習会を開催し、イングランド各地で演奏を行い、コペンハーゲンでは毎年の桜まつりに参画しています。

博士はWSF2018 実行委員会のメンバーです。本年2月22日には、日本と英国の文化交流への多大な貢献が認められて旭日章 を受章しました。実にWSFの精神を具現したわけです (在英国日本国大使館のホームページに受賞の記事掲載)。1970年代より民謡の演奏・研究・執筆に携わり、日本のテレビ・舞台・ラジオには50回以上出演し、民謡コンクールの審査員を務め、日本コロンビアの日本民謡LPレコード制作には田中義男師と共に関わりました。

ワールド尺八フェスティバルに今回初めて民謡を加えることについて、博士の専門知識をもって協力・尽力いただいたことに対し、WSF2018はここに感謝を表します。

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