ティム・ホッドキンソン

ロンドン, イギリス

 

1949年に生まれ、大学で人類学を学んだ。1968年から10年にわたり、マルクス主義的な枠組みの中、ポップミュージックと高尚な要素を交えた音楽を作っていたバンドの一員であった。その後、フリーインプロビゼーションが私を「音」を探検する方向に押し、そのフリーインプロビゼーションからのヒントにより、自分なりのアプローチ、そして作曲に適用できる個人的な音楽表現法を発展させるためのモデルを得た。

1990年からシベリアに何回も旅し、音楽家ら、および祭典・儀式の専門家らとコラボレーションをした。その結果として、一般に広まっているような音楽をベースにするよりも自分自身の存在を基盤とする決意が強まった。1990年台には、ルーマニアのスペクトラル主義に出あい、その出あいによって「音」を実験するプロセスから作曲的構造を開発するための道が開けた。音あるいは音のより小さい要素の互いの結びつきと、音あるいは音のより小さい要素を聴く時の経験、その二つのことの繋がりが、私自身の作曲的アプローチの基盤となっている。2016年に、拙著、Music and the Myth of Wholeness 【音楽と単一性の俗説】が MIT Press より出版された。その本の中には、音楽を長く考え続けてきて、そこからうまれた美学の一般理論を記した。

これまで作曲した作品は、ハッデスフィールドなどの現代音楽祭の場において、フェニックスアンサンブルやロンドンシンフォニエッタなどにより演奏されている。
現在はイアンス・ジュミトレスクのヒュペリオンアンサンブルの一員であり、またコンクパックトリオのロジャ・ターナー氏とトマス・レーン氏とコラボレーションし、その他にも多くの即興演奏プロジェクトに関わっている。

Kスペースプロジェクトでは、チュバのケン・ハイダ-氏およびゲンドス・チャムヂュリン氏とコラボレーションし、ヨーロッパとシベリアで数多くのツアーを行うとともに、CDも多数リリース。CDリリースには、「インフィニティ」という、特殊なソフトを使用することで、聴くたびにその音楽が再作曲(編曲)されるという、一連の収録を含まれる。
2009年に、Kスペースはシュトゥットガルトにある民族博物館のエキシビションShamans of Siberia【シベリアのシャーマン】のためにサウンドインスタレーションを開発した。

音楽家また作曲家としてのフォーマルな資格およびアカデミックな資格は持っていない。